Loading...

We've detected that your browser language is Chinese. Would you like to visit our Chinese website? [ Dismiss ]
著者: Emma

適切なバックアップ戦略を選定する上での核心的な判断基準は1つです。バックアップ実行中のシステム停止時間を事業が許容できるかどうか。

コールドバックアップはシステムを停止し、完全に整合性の取れたスナップショットを取得します。ホットバックアップはシステムを稼働させたまま、ユーザーが業務を続けている最中にデータを複製します。本記事では復旧時間、復旧ポイント、コスト、セキュリティの4軸で2種類の手法を比較し、自システムに適した戦略を選ぶための指針を示します。

コールドバックアップとホットバックアップとは

コールドバックアップとホットバックアップは、「システム可用性」と「運用の簡易性」のトレードオフの両極端に位置します。それぞれシステム稼働状態、ファイルロック、トランザクション整合性の扱い方が異なり、この差が本ガイド全体の比較項目の根源となります。

cold backup vs hot backup

 

コールドバックアップとは

オフラインバックアップとも呼ばれるコールドバックアップは、データベースまたはアプリケーションを完全に停止した状態で実施します。データベースエンジンが停止しているため、バックアップ中はユーザーやプロセスによるデータの読み書きが一切発生しません。システムは安定した停止時点のデータスナップショットを取得します。

システム管理者がコールドバックアップを実行する一般的な手順は以下の通りです。

  1. 新規クエリを遮断するため、すべてのアプリケーション接続を切断する。
  2. データベース管理システムを完全にシャットダウンする。
  3. データベースの生ディレクトリを安全なバックアップ保存先へコピーする。
  4. データベース管理システムを再起動し、アプリケーションの通信を再開する。

what is cold backup

この処理では、生データファイル、制御ファイル、トランザクションログ、設定ファイルといった重要なシステムファイルがすべてバックアップツールに取得されます。データベースが完全にオフラインのため、ファイルは安定した状態を保ち、コピー中にデータブロックが変更されることはありません。

この手法でよく利用されるツールはcp、tar、robocopyといった手動ファイル複製ツールで、データディレクトリを複製します。一部管理者はデータベースをロックし外部からの変更を遮断した上で、mysqldumpなどの論理バックアップツールを使用するケースもあります。

本手法は最高水準のデータ整合性を保証しますが、システムを完全に利用不可とする計画的な停止時間枠を確保する必要があります。

ホットバックアップとは

オンラインバックアップとも呼ばれるホットバックアップは、データベースを稼働させ、ユーザーが利用可能な状態で実施します。アプリケーションは中断なくデータの読み書きを継続し、ほぼリアルタイムでデータ変更を記録します。

オンラインバックアップ中は常にデータが更新されるため、データ破損を防ぐ仕組みが必要です。この役割を担うのが先行書き込みログ(WAL)またはアーカイブログモードです。データベースは実際のデータファイルに変更を反映する前に、すべての状態変更を専用の逐次ログに記録します。

what is hot backup

ホットバックアップツールはデータファイルを複製すると同時に、バックアップ実行中のトランザクションログを継続的に追跡します。

code
[実行中のデータベーストランザクション] ---> [先行書き込みログ(WAL) / アーカイブログ]
                                                    |
[バックアップツールによるデータファイル複製] <----------------+ (ログ適用により整合性を保証)

ユーザーのアクセスをロックせずにこの処理を実行する専用ツールとして、Percona XtraBackup、MySQL Enterprise Backup(mysqlbackup)、Oracle Recovery Manager(RMAN)などが存在します。これらのツールはデータブロックとトランザクションログを並行して読み取ります。

ホットバックアップはエンドユーザーに対しシステム停止時間を発生させませんが、CPUとディスクI/Oリソースを多く消費するほか、ログ設定の厳密な検証が不可欠です。

コールドバックアップ vs ホットバックアップ 一覧比較

自社業務に適した手法を判断するため、パフォーマンス、コスト、可用性の特徴を並べて比較します。

比較項目 コールドバックアップ(オフライン) ホットバックアップ(オンライン)
システム可用性 システム停止、ユーザーは完全に利用不可 システム稼働、ユーザーに中断が発生しない
データ整合性 保証済み。書き込み未完了の処理が存在しない状態でデータが固定される ログによる調整が必要。WALまたはアーカイブログを活用し変更履歴を再構築
パフォーマンスへの影響 本番環境ハードウェアへの影響なし(システム停止中) 稼働中のCPU、メモリ、ストレージI/O帯域を消費
復旧速度 ベースファイルの復元が高速、ログ再生不要 任意時点まで復旧可能、トランザクションログの再生工程を要する
インフラコスト 低コスト。安価なストレージ層と標準搭載・無償ツールを使用 高コスト。専用エージェントと高パフォーマンスストレージが必要
セキュリティ面 複製中は稼働環境のハッキング・ランサムウェアの影響を受けない 稼働中のネットワーク脅威や破損ファイルの複製リスクが存在

これらの比較項目は災害復旧体制を構築する上で重要な要素となります。以降の章では、本番環境におけるそれぞれのトレードオフを詳しく解説します。

システム可用性

システム可用性とは、バックアップ実行中にデータベースがユーザーからアクセス可能かどうかを指し、コールド・ホットバックアップ比較における最も重要な相違点の1つです。

  • コールドバックアップ:データベースを完全に停止する必要があるため、バックアップ中はすべての読み書き処理が停止します。処理完了までユーザーはシステムを利用できません。
  • ホットバックアップ:バックアップ実行中もデータベースを稼働させ続けられ、ユーザーは中断なくアプリケーションを利用可能です。

コールドバックアップには計画停止時間が必須であるのに対し、ホットバックアップはシステムの連続稼働を支援します。

データ整合性

データ整合性とは、バックアップが特定時点の復旧可能な正常なデータベース状態を正しく取得できているかを意味します。

  • コールドバックアップ:データベースファイルがディスク上で固定され、書き込み未完了のトランザクションやダーティブロックが発生しない。
  • ホットバックアップ:バックアップ実行中のデータ変更を調整するため、先行書き込みログまたはアーカイブログに依存します。正しく運用すれば同等の信頼性を確保できますが、コールドバックアップには存在しない障害要因が生まれます。

コールドバックアップは途中で失敗した場合、正常な状態から再実行するだけで済みます。一方ホットバックアップはログストリームとの接続が切断されると、データファイルとログレコードに不整合が生じ、復旧時に使用できないバックアップとなる恐れがあります。

パフォーマンスへの影響

パフォーマンス影響とは、バックアップ処理が本番業務負荷とシステムリソースに及ぼす負荷を指します。

  • コールドバックアップ:システムが停止しているため本番ハードウェアへの影響はほぼゼロ。複製処理はストレージとメモリを独占的に使用できます。
  • ホットバックアップ:通常業務とディスクI/O、CPU、ネットワーク帯域を奪い合い、ストレージの容量逼迫時には応答速度低下を引き起こすIOPSを消費します。
ヒント:ホットバックアップを負荷の少ない時間帯にスケジュールすることで、無停止運用を維持しつつ負荷影響を低減できます。

復旧速度

復旧速度には2つの側面があります。復元処理自体の速さと、障害発生直前のどの時点までデータを戻せるかです。

  • コールドバックアップ:ログ再生なしで瞬時に復元可能ですが、バックアップ取得時点までの復旧に限定されます。例えば深夜にバックアップを取得し、14時にランサムウェア攻撃を受けた場合、丸1日分のトランザクションデータが失われます。
  • ホットバックアップ:データベースをアーカイブログモードにすることで任意時点復旧に対応。リドゥログを活用し、障害発生直前の任意時点までデータベースを巻き戻せるため、喪失データを数時間から数分間に抑えられます。

コールドバックアップはファイル単位の復元が速い反面、前回のバックアップ以降のすべてのデータが失われます。ホットバックアップはログ再生に時間を要するものの、障害発生直前のほぼ任意時点まで復旧可能です。

コストとインフラ

コストとインフラの観点では、ストレージ費用と運用の複雑さの両方を考慮します。

  • コールドバックアップ:高額ライセンスの専用エージェントや高パフォーマンスなバックアップ保存先が不要なため、シンプルなツールと安価なストレージ層を活用できます。長期保管用途に低コストストレージを直接利用可能です。
  • ホットバックアップ:ストレージとライセンスの費用が増加しますが、1時間の停止損失がストレージ層の価格差を上回る業務であれば費用対効果が見込めます。

コールドバックアップは運用コストが安価な一方、ホットバックアップは停止時間に伴う損失を削減します。

セキュリティ体制

セキュリティ体制とは、バックアップ処理が各種脅威にどれだけ曝されているかを評価する指標です。

  • コールドバックアップ:システムが停止しているため稼働環境の脅威から隔離され、複製中のランサムウェア、電源サージ、意図しない上書きの影響を受けません。
  • ホットバックアップ:稼働中のシステムで発生するあらゆる脅威に曝されます。バックアップ実行中にランサムウェアが暗号化処理を実行していた場合、暗号化済みファイルがバックアップに保存される可能性があります。

どちらの手法も改ざん不可ストレージと組み合わせることで追加の保護層を構築できます。一度書き込まれたバックアップファイルは編集・削除が不可能となるためです。

コールド・ホットバックアップの適用場面:RPO・RTO比較

目標復旧時間(RTO)は障害発生後、システムを復旧させるまでに許容される時間を定義します。目標復旧ポイント(RPO)は事業が許容できる最大のデータ喪失量を指し、バックアップ実行頻度の基準となります。

ヒント:災害復旧計画におけるRTOとRPOの詳細を知りたい方は、RTOとRPOの解説記事をご覧ください。

コールドバックアップは必然的にRTO・RPOの数値が大きくなります。システム停止時のみスナップショットを取得するため、RPOは計画停止の頻度と一致します。例えば週1回コールドバックアップを取得する場合、最大7日分のデータが喪失するリスクが生じます。

ホットバックアップは厳格なRTO・RPOの設定に対応します。稼働中のデータ変更を逐次取得するため、障害発生直前の任意時点まで復旧でき、データ喪失を数分~数秒に抑えられます。

rto and rpo in backup

選定を簡素化するため、企業はデータ喪失と停止時間の許容度に応じてアプリケーションを階層分けします。

  • 第1階層:基幹システム決済ゲートウェイ、稼働型ECデータベース、電子カルテ(EHR)システムなどが該当します。RTO15分以内、RPO1分以内が要求されるため、トランザクション履歴を取得し瞬時復旧を実現するホットバックアップが必須です。
  • 第2階層:重要な内部システム顧客管理(CRM)データベース、内部ファイルサーバー、一般公開しないWebアプリケーションが対象です。RTO1~4時間、RPO12~24時間を目標とし、連続ログ転送の負荷をかけず、負荷の少ない時間帯に日次ホットバックアップを実施することで基準を満たせます。
  • 第3階層:非重要システム・アーカイブ過去レポート用データベース、検証環境、レガシーファイルシステムが該当します。RTO24~72時間、RPO数日まで許容できるため、運用が簡素でインフラコストの安いコールドバックアップが最適です。

まとめ:許容可能なデータ・停止損失に合わせてバックアップ手法を選定し、逆の選択をしないことが重要です。停止やデータ喪失を許容できないシステムにはホットバックアップ、それ以外は低コストなコールドバックアップを活用します。

コールドとホットバックアップの併用は可能か

2種類の手法を比較すると、単一のバックアップ方式に依存する必要はないことが分かります。コールドとホットを組み合わせたハイブリッド戦略は、多くのエンタープライズ環境で採用されています。

実務におけるコールド・ホット併用運用

例えば平日はホットバックアップを実行し業務の連続稼働を支え、通信量の少ないメンテナンス時間枠にコールドバックアップを実施し、整合性の完全な基準バックアップを作成します。この組み合わせにより、低いRPOを維持しつつ、信頼性の高い復旧先を確保できます。

最新のバックアップ基準との適合

本ハイブリッドモデルは、3-2-1バックアップルールをはじめとする最新のデータ保護ベストプラクティスにも適合します。多重保存、隔離保管、復旧検証を重視し、データ損失やランサムウェアへの耐性を高めます。

階層型バックアップアーキテクチャ

本戦略を実装するには階層型バックアップ構成が一般的です。直近のバックアップは高速復旧に対応する高性能ストレージに保管し、古いバックアップは長期保管用の低コストアーカイブストレージへ段階的に移行します。

コストと運用効率の両立

この階層化戦略により、企業はパフォーマンス、コスト、コンプライアンス要件の均衡を保てます。緊急復旧に必要なデータは即時アクセス可能にし、過去の履歴データは低コストで長期保管します。

i2Backupによる大規模環境でのコールド・ホットバックアップ自動化

平日のホットバックアップ、週末のクリーンなコールドバックアップ、経年データを安価なストレージへ移行するライフサイクルポリシーを紙面上で設計することは簡単です。しかし環境が拡大する中、複数のスケジュールツールや手動のログ管理でこの3つを個別調整すると運用負荷が膨大になるため、多くの現場で統合管理プラットフォームの導入を検討します。

i2Backupは各種バックアップツールを個別に連携させるのではなく、単一コンソールからこのようなハイブリッド戦略を一括管理するために開発された製品です。

主な機能

  • 両方式に対応したスケジューリング:単一コンソールから時次・日次・週次・月次・年次のバックアップスケジュールを設定可能。ツールを切り替えることなく平日ホット、週末コールドの運用を実装できます。
  • リドゥログ連続取得:データベース業務向けにリドゥログ・アーカイブログの変更を常時捕捉し、数分間のデータ喪失も許容できないシステム向けにほぼゼロRPO・任意時点復旧を実現します。
  • 階層化戦略に対応したストレージ:ローカルディスク、NAS、テープライブラリ、重複排除ストレージ、オブジェクトストレージへバックアップを出力可能。経年に応じて自動的に古いバックアップを削除するカスタマイズ可能な保管ポリシーにより、ホットからコールドへの移行パターンでストレージコストを抑制します。
  • 改ざん不可・暗号化バックアップ:WORM規格対応ストレージにより書き込み後のバックアップを改ざん不可にし、AES/SM4暗号化により転送中のデータを保護。3-2-1といったランサムウェア耐性戦略で必要な隔離・改ざん不可コピーに対応します。

数分間のデータ損失も許容できないシステムが環境に存在する場合は、i2CDPが機能を拡張します。バイト単位でリアルタイムにデータ変更をレプリケートし、RPOを数秒またはゼロに低減可能です。数秒単位でフェイルオーバーが必要な第1階層システムの場合、バックアップとは別の役割を担う高可用性レプリケーション製品が対応します。

i2Availabilityは手動操作なしで自動的に本番環境を待機サーバーへ切り替えます。バックアップと高可用性は解決する課題が異なるため、多くの基幹システム環境では両方を並行運用しています。

システムが第1階層、第3階層、または中間層のいずれに属する場合でも、共通の目標は変わりません。許容可能な損失に合わせてバックアップ手法を選定し、スケジュール管理、ログ処理、ストレージ階層化をプラットフォームに自動処理させます。

60日間無料トライアル

まとめ

コールドバックアップとホットバックアップは二者択一の解決策ではなく、それぞれ異なる課題に対応する手法です。事業が許容できる停止時間とデータ喪失量の2軸で選定します。

大半の環境では一方の手法だけに固執する必要はありません。アーカイブ用に週次コールドバックアップ、トランザクションの多いシステムには時次ホットバックアップ、これらを統合する明確な保管ポリシーを定めることで、単一手法より幅広いリスクに対応できます。

まずは上記のRTO・RPO階層に自システムを分類し、基準を明確にした上で、Info2softのi2Backupのようなプラットフォームに2種類のバックアップのスケジュールと階層管理を任せることで、人手による手動実行に依存しない安定したバックアップ戦略を構築できます。

概要は準備中です

関連記事

ESXi設定のバックアップと復元:完全ガイド
重要なESXiホストを管理するITチームにとって、監査、アップグレード、災害復旧演習の前に設定のバックアップを実施することは不可欠です。本ガイドでは、ESXi設定を安全かつ効率的にバックアップおよび復元する方法について解説します。
記事を読む
VMware 仮想マシンの AWS へのバックアップ手法:S3、EC2、AWS Backup
オンプレミスでVMwareを運用する企業は、クラウド上でワークロードを確実に保護する仕組みを必要としています。本ガイドではVMware仮想マシンをAWSにバックアップする3つの実用的な手法を解説します。AWS純正連携が可能なAWS Backup、Amazon S3への直接バックアップ保管、VMのAWS EC2への移行です。
記事を読む
vSphere HA 用に再構成がグレーアウトする現象:全要因と解決策
vCenter上で「vSphere HA用に再構成」がグレーアウトして操作できない現象は多くの方が経験しており、解決策は見た目よりも単純です。本ガイドでは、この無効化現象を引き起こすすべての要因を分類し、vSphere 6、7、8の各バージョンに対応した具体的な解決手順を順を追って解説します。
記事を読む
VMwareにおけるGPU有効化手順:パススルー・vGPU・3Dアクセラレーション
VMwareのGPU機能は自動で有効にならず、適切な設定は環境によって異なります。本記事ではESXiのGPUパススルー、NVIDIA vGPU、Workstationの3Dアクセラレーションの3種類の方式をすべて解説し、各方式の必須設定とトラブルシューティングを記載します。
記事を読む
ビジネスデータのセキュリティ強化を始めませんか?

· 世界中のエンタープライズおよびミッドマーケットのお客様

· トライアル期間中、サポートチームが対応します

· 60日間の無料トライアルまたはデモで、Info2Softが企業データをどのように保護するかをご確認ください。

フォームにご記入の上、送信してください。担当者より追ってご連絡いたします。
このフォームを送信することにより、 プライバシー通知を読み、同意したことを確認します。
{{ isSubmitting ? '送信中...' : '送信する' }}