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By: Emma

VMware Remote Consoleとは何か

仮想マシンを適切に管理するには、ブラウザだけの画面機能では不十分です。vSphere Webクライアントは簡易な作業に適していますが、本格的な運用管理に必要なハードウェアレベルの連携機能が備わっていません。ここで活用するのがVMware Remote Console(VMRC)です。

VMRCはスタンドアロン型デスクトップアプリケーションで、vSphereホストに直接接続し、各VM専用のコンソールウィンドウを起動します。Web版コンソールと異なり、ゲストOSの操作、ハードウェア設定変更、VMのリアルタイム状況監視が可能です。

起動障害のトラブルシューティングやローカルISOからのOSインストール時など、VMにネットワーク接続がない状況でも安定した高パフォーマンスな接続を維持できます。またライセンスキー不要の無償製品で、VMware環境の有効なアカウント情報さえあれば利用可能です。

本ガイドで学べる内容:

  • Windows、Linux、macOS向けVMRCのダウンロード・インストール手順
  • VMへの接続方法、ローカルデバイスのマウント、画面表示設定の調整方法
  • コンソール操作・フォーカス解除に使う重要なショートカットキー
  • USBリダイレクト、VMパフォーマンス監視などの高度機能
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VMRCのダウンロードとインストール(Windows/Linux/macOS)

事前にBroadcomサポートポータルの登録アカウントを用意してください。アプリ自体は無料ですが、インストーラーを入手するにはログインが必須です。

注記:以下の手順はVMRC 12.0のドキュメントに基づいています。新しいバージョンを導入する場合、大きな流れは同じですが、変更点があればリリースノートを確認してください。

Windows環境にVMRCを導入する

Windows版は管理者の利用率が最も高く、ハードウェア管理機能が完全に揃っています。

  1. support.broadcom.comのBroadcomサポートポータルにログインします。
  2. VMware vSphere8.0ドライバー&ツールへ進みます。vSphere検索とVMware vSphere選択画面
  3. VMware Remote Consoleを探し、>をクリックしてバージョン一覧を展開、Windows用ZIPファイルをダウンロードします。VMRCダウンロード画面
  4. ZIPファイルを一時フォルダに展開し、インストールウィザードを実行します。
  5. 「次へ」をクリックしてインストールを開始します。
  6. 使用許諾契約に同意した上で「次へ」をクリックします。
  7. 任意のインストール先フォルダを指定し「次へ」をクリックします。
  8. 製品アップデート確認の有無、顧客エクスペリエンス改善プログラム(CEIP)への参加可否を選択し「次へ」をクリックします。
  9. 「インストール」をクリックして導入完了です。

Linux環境にVMRCを導入する

Linux版は.bundleファイル形式で配布され、GUIとコマンドラインの2種類のインストールモードに対応しており、多様な環境で柔軟に導入可能です。

  1. support.broadcom.comのBroadcomサポートポータルにログインします。
  2. VMware vSphere8.0ドライバー&ツールへ進みます。
  3. VMware Remote Consoleを展開し、Linux用bundleファイルをダウンロードします。
  4. rootユーザーに切り替え:sudo su -
  5. 必要に応じbundleファイルに実行権限を付与:chmod +x VMware-Remote-Console-version-build.x86_64.bundle
  6. インストーラーを実行:./VMware-Remote-Console-version-build.x86_64.bundle
  7. 画面の指示に従いライセンス同意、アップデート設定、CEIP参加可否を選択します。
注記:GUIインストーラーではなくコマンドラインモードを強制起動する場合は、実行時に--consoleオプションを追加してください。

macOS環境にVMRCを導入する

macOS版は導入が最も簡単で、Apple App Storeから配信されているため、ポータルへのログインや手動ファイルダウンロードが不要です。

  1. MacのApp Storeを開きます。
  2. 「VMware Remote Console」で検索します。
  3. 「入手」をクリックしてアプリをダウンロード・インストールします。

企業向け一括サイレントインストール

複数の端末に一斉導入するIT部門の場合、手動インストールは非効率です。Microsoft Endpoint Configuration Manager(MECM)などのツールを使用し、コマンドオプションでWindows版をサイレント導入できます。

実行コマンド:

VMware-Remote-Console-xxxx.exe /s /v"/qn EULAS_AGREED=1"

  • /s — 上位インストーラーをサイレントモードで実行
  • /v"/qn" — 内部MSIにパラメータを渡し、すべてのUIを非表示
  • EULAS_AGREED=1 — 使用許諾契約に自動的に同意
注記:ファイルロックの競合を回避するため、サイレント導入実行前に他のVMware製品をすべて終了してください。

VMRCからVMに接続する方法

インストール完了後、VMRCは通常のショートカット起動型アプリではなく、vSphere ClientまたはVMware Host Clientからコンソールセッションを起動した際にブラウザから呼び出される補助アプリとして動作します。

vSphere ClientまたはHost Clientから起動

vSphere Client(vCenter経由)の場合:

  1. vSphere Clientにログインし、対象仮想マシンを選択します。
  2. 概要タブを開きます。
  3. リモートコンソールの起動をクリックします。

VMware Host Client(ESXi直アクセス)の場合:

  1. VMware Host Clientにログインし、対象仮想マシンを選択します。
  2. コンソールリモートコンソールの起動を選択します。

接続後、VM画面をクリックするとマウス・キーボードの入力がVMに渡されます。ローカルPCに操作権を戻すには、Windows/LinuxはCtrl+Alt、macOSはCtrl+Commandを押します。

ESXi直接続とvCenter経由接続の違い

状況に応じて2種類の経路からVMにアクセス可能です。

vCenter経由の場合、権限が一元管理され、環境内の全VMに1回のログインでアクセスできます。vCenterが停止・メンテナンス中の場合は、ブラウザからESXiホストのIPアドレスに直接アクセス可能です。管理レイヤーが利用不可な緊急トラブルシューティングに有用です。

URIまたはコマンドラインから起動

上級ユーザーはvmrc:// URI形式を使用してVMRCを直接起動できます。頻繁に使用するVMのショートカット作成や自動化スクリプト構築に活用でき、構文は以下の通りです。

vmrc://[ユーザー名]@[ホスト]/?moid=[VM識別ID]

例:vmrc.exe vmrc://root@192.168.1.10/?moid=2

  • moidはVMの管理オブジェクトIDです。ESXiホスト上でvim-cmd vmsvc/getallvmsを実行するか、PowerCLIで(Get-VM -Name "<VM名>").ExtensionData.moref.valueを実行して取得できます。

ローカルISOまたはUSBデバイスのマウント

Webコンソールと比較したVMRCの大きな強みがローカルデバイスリダイレクト機能です。

ローカルISOファイルをマウントする手順:

  • VMRCリムーバブルデバイスCD/DVDドライブ1ディスクイメージファイル(iso)に接続を選択。
  • ローカルPC上のISOファイルを指定します。

USBデバイスを接続する手順:

  • Windows:VMRCリムーバブルデバイスから対象デバイスを選び、接続(ホストから切断)をクリック。
  • macOS:仮想マシンUSBとBluetoothUSB・Bluetooth設定を開き、MacのUSBデバイスを接続一覧から機器を選択。
  • Linux:仮想マシンリムーバブルデバイスから機器を選び、接続(ホストから切断)をクリック。

接続完了後、デバイス名の横にチェックマークが表示され、VMのタスクバーにデバイスアイコンが出現します。

画面表示とフルスクリーンの調整

VMRCはウィンドウサイズ変更に合わせてVM画面を自動調整しますが、この機能を利用するにはゲストOSに最新のVMware Toolsがインストールされている必要があります。

  • フルスクリーンモードの切り替え:Ctrl+Alt+Enter
  • ウィンドウリサイズ時の画面調整ルールを設定するには設定メニューへ移動:
    • Windows:VMRC設定
    • macOS:VMware Remote Console環境設定
    • Linux:ファイルリモートコンソール設定
  • VMウィンドウサイズ変更項目で、伸縮・フィット・無調整のいずれかを選択します。

VMRCからフォーカスを解除する方法

初心者はマウスカーソルが消え、コンソール内から抜け出せなくなるケースが多いため、確実な操作方法を記載します。

マウス・キーボードのフォーカス解除

VMRC画面内をクリックすると、マウスとキーボードの入力がVMに捕捉されます。

  • ホストPCに操作権を戻す:Windows/LinuxはCtrl+Alt、macOSはCtrl+Command
  • カーソルがウィンドウ外に復活し、他アプリへ自由に切り替えられるようになります。

フルスクリーンモードの切り替え

フルスクリーン時に上部メニューバーが非表示になると画面から抜け出せないと感じやすくなります。

  • Ctrl+Alt+Enterでフルスクリーンとウィンドウモードを瞬時に切り替え可能
  • コンソールを閉じずにホストデスクトップに戻る簡易手段として活用できます。

VMにCtrl+Alt+Delを送信する方法

物理キーボードでCtrl+Alt+Delを押すと、ホストOSのセキュリティ画面が起動し、VMには送信されません。初心者が頻繁に陥るミスです。

  • VMにコマンドを送信するにはメニューから操作:VMRCCtrl+Alt+Delを送信
  • 代替ショートカットとしてCtrl+Alt+InsertもVM側で同じコマンドとして認識されます。

ウィンドウを閉じる操作とVMの電源OFFの違い

VMRCウィンドウ右上の×をクリックしてもVMの電源は切れません。

  • 切断:コンソールセッションだけが終了し、VMはESXiホスト上でバックグラウンド稼働し続けます。
  • 電源遮断:VM自体を停止させる操作です。ツールバーの電源アイコン、またはVMRC電源ゲストOSのシャットダウンから実行します。

初心者が混乱しやすいポイントなので、実行前に操作目的を確認してください。

ヒント:LinuxホストでCtrl+Altが効かない場合はCtrl+Alt+Fを試してください。既定のショートカットが他ソフトと競合する場合はVMRCの設定画面でフォーカス解除キーをカスタマイズ可能です。

VMware Remote Console 高度機能

基本的なコンソール接続以外に、ドライバ導入、ハードウェア変更、パフォーマンス障害調査など日々のVM管理に役立つ多くの機能が搭載されています。

VMware Toolsのインストール

VMware Toolsはドライバとユーティリティのパッケージで、VMのパフォーマンス向上、マウス同期、画面自動リサイズなどの機能を実現します。Toolsが未導入または古いと通知が出た場合、VMRCから直接インストールを起動できます。

  • Windowsの場合:VMRC管理VMware Toolsのインストール
  • Linuxの場合:仮想マシンVMware Toolsのインストール

操作を実行するとゲストOSに仮想ISOがマウントされるので、VMにログインし仮想ドライブからインストーラーを実行して導入を完了させます。

注記:VMware Toolsが既に導入済みの場合、メニュー項目は検出されたバージョンに応じて「VMware Toolsの再インストール」または「VMware Toolsのアップデート」に切り替わります。

VMハードウェア設定の変更

標準Webコンソールと異なり、VMRCはコンソール画面を閉じずにVMのハードウェア設定を開けます。

VMRC管理仮想マシン設定からCPU割り当て、メモリ、ストレージを調整可能です。一部変更はVM停止が必要ですが、多くの項目はVM稼働中のホットアドに対応しています。

Veeam ONE内でVMRCを使用する

Veeam ONEで監視業務を行う管理者は、Veeam ONEクライアント画面から直接VMRCを起動できます。インベントリ一覧の対象VMを右クリックし、コンソールを開くを選択するだけです。

コンソール内からVMのパフォーマンス障害の根本原因を切り分けたり、応答しないVMの再起動などの管理作業を実施可能です。Veeam ONEサーバーに追加ソフトは不要で、Windows・Linux両方のゲストOSに対応しています。

vmrc:// URIによるスクリプト・自動化

vmrc:// URI形式を活用すると、コマンドライン、スクリプト、ブラウザリンクから特定VMのコンソールを直接起動できます。頻繁に使用するVMのデスクトップショートカット作成や、社内ドキュメント・サポートチケットへコンソールリンクを埋め込む際に便利です。

構文:vmrc://[ユーザー名]@[ホスト]/?moid=[VM識別ID]

例:上級管理者が技術者に直接VMコンソールを開くリンクを送信することで、技術者がvCenterを手動で辿る手間を省略できます。

VMRC、Webコンソール、RDPの使い分け

適切なツールの選択は作業内容によって異なります。3種類すべてVMにアクセス可能ですが、動作するレイヤーが大きく異なります。

機能 VMRC Webコンソール(HTML5) RDP / SSH
アクセスレイヤー ハイパーバイザー/ハードウェア層 ハイパーバイザー/ハードウェア層 OS/ネットワーク層
VMのネットワークが必要か 不要 不要 必要
OSクラッシュ時でも利用可能 不可
事前に導入するソフト ローカルアプリのインストール必須 最新ブラウザのみ OS標準クライアント
BIOS/起動画面へアクセス 不可
ローカルISO/USBのマウント フル対応 制限付き対応 不可
マルチウィンドウ対応 不可
パフォーマンス 良好 普通 最良

VMRCを使う場面

VMRCは環境構築、保守、障害復旧作業に適しています。ESXiホストと直接通信するため、ネットワーク設定の破損修復、BIOSへのアクセス、ローカルISOからのOSインストールなど、VMにネットワーク接続が全くない状況でも唯一利用可能な手段となります。

Webコンソールを使う場面

VMRCをインストールしていない端末で簡易確認を行う際に最適です。ブラウザだけで動作するため、VMが起動画面で停止しているかの確認や簡単な再起動が最速で実施できます。長時間の作業では動作が緩慢になり、USBリダイレクト機能はVMRCと比較して制限が多いです。

RDPまたはSSHを使う場面

RDP・SSHは稼働中のVM内で日常的な作業を行う際の最適なツールです。ハイパーバイザーを経由せずゲストOSに直接接続するため、レイテンシが低く、コピー&ペーストもスムーズでパフォーマンスに優れます。欠点として、VMのネットワーク断線やOSクラッシュが発生するとセッションが即時切断されます。

VMware VMのバックアップ:VMRCでは対応できない業務

VMRCは仮想マシンへ直接アクセスする手段ですが、データ保護機能は持っていません。VMの監視、設定修正、クラッシュからの復旧は可能ですが、コンソールウィンドウを閉じるとバックグラウンドでバックアップは実行されません。

VMのディスク破損、誤削除、ランサムウェア感染が発生した場合、VMRCだけではデータを復元できず、専用のバックアップソリューションが別途必要となります。

VMware環境向けにはi2Backupがこの課題を補完する製品として開発されています。

i2Backupの主な機能

  • エージェントレスVMバックアップ:i2Backupは仮想化プラットフォーム標準APIを活用し、ゲストOS内にエージェントを導入せずVMをバックアップします。バックアップジョブ実行時のVMパフォーマンスへの影響がゼロで、VMware、Hyper-V、OpenStackなど主流基盤すべてに対応。
  • 瞬時VMリストア:VMに障害が発生した際、バックアップデータを対象基盤に直接マウントし、完全なリストア待ちなしで即時起動可能。復旧目標時間(RTO)を最小限に抑えます。
  • 任意時点リストア:i2Backupは連続バックアップログを記録し複数の復元ポイントを保持するため、気付かないうちに発生した誤操作やデータ破損に対し、VMまたは特定ファイルを任意の時点まで巻き戻せます。
  • 改ざん防止バックアップと暗号化:WORM規格ストレージにバックアップを保管し、不正な変更・削除を遮断。データ伝送時はAES・SM4暗号化で保護し、厳格なアクセス制御により許可ユーザー以外はバックアップデータにアクセスできません。

定時バックアップ以上のデータ保護が必要な場合は、Info2Softの製品ラインナップが完全なデータレジリエンス基盤をカバーします。i2Availabilityはリアルタイムレプリケーションと自動フェイルオーバーを提供し、プライマリサーバーに障害が発生しても基幹業務を継続稼働させます。

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まとめ

VMRCはすべてのvSphere管理者が導入すべき実用的なツールです。新規VMの環境設定、起動障害からの復旧、RDPが切断されるネットワークトラブル調査など、あらゆる場面でハイパーバイザー層から安定したコンソールアクセスを提供します。無償で、VMのネットワークがない状況でも動作する点が、他のアクセス手段が利用不可な際の強力な代替策となります。

一方でVMRCはコンソール操作用ツールであり、データ保護ツールではありません。重要なVMを運用する環境では、Info2softのi2Backupのような専用バックアップソリューションを導入し、コンソール画面だけが唯一の防衛線とならないよう備える必要があります。重大な障害が発生した際、異常なVM画面を閲覧するだけでなく、正常な復元ポイントからデータを回復できる体制を整えることが重要です。

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