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By: Emma

ESXiのサービス再起動コマンドは?

再起動するサービスによってコマンドが異なるため、汎用的な単一コマンドは存在しません。早見表を以下に記載します。

サービス名 役割 再起動コマンド
hostd ローカルVMとホスト操作を管理 /etc/init.d/hostd restart
vpxa vCenterとの通信処理 /etc/init.d/vpxa restart
fdm vSphere HA機能を実行 /etc/init.d/vmware-fdm restart

対象サービスが不明、またはホスト全体が応答しない場合は、すべての管理エージェントを一括再起動可能です。

services.sh restart 

 

状況に合った手法が分からない場合は、次の項目で症状別の解決策を紹介します。

ESXi管理エージェントを再起動すべきタイミング

管理エージェントは通知なしで異常停止する場合があります。VMは稼働し続けますが、ホストの管理・監視が不可能となり、vCenterの表示情報も信頼できなくなります。再起動が必要な代表的な症状は下記の通りです。

  • vSphereホストクライアントが読み込めない、またはタイムアウトする。 pingでホストに到達できるのにログイン画面が固まる場合は、ネットワーク障害ではなくhostdの不具合が原因です。
  • vCenter上のホストが「切断」または「応答なし」と表示される。 直接ホストにログイン可能でも、vpxaがvCenterへのハートビート送信を停止している可能性が高いです。
  • VM操作が途中で停止する。 電源起動、スナップショット作成、設定編集といった処理が特定の進捗率で固まり完了しない。
  • ホストクライアントUIの動作が極端に遅い。 メニュー操作のたびに数秒待機が発生する場合、hostdのメモリ過消費または無限ループが発生しています。
  • イベント・ログの更新が停止する。 vCenterのイベントタブが固まり、ログファイルに新規記録が出力されない。エージェント停止時は診断データの出力も途絶えます。
  • ネットワーク設定変更が反映されない。 標準スイッチまたは分散スイッチの設定更新が反映されない場合、エージェント再起動で設定が再読み込みされます。
  • 「エージェントがVM作成オプションを取得できません」エラーが発生。 新規VM作成時に表示され、管理エージェントがホストのハードウェアリソース情報を参照できない状態を意味します。

ESXi管理エージェント再起動が必要な状況

ESXi管理エージェントを再起動する3つの手法

コマンド実行前に2分程度環境状況を確認してください。再起動自体は安全な操作ですが、実行タイミングと手法には注意が必要です。

管理エージェント再起動時に稼働中VMは影響を受ける?

いいえ。hostdvpxaの再起動は管理レイヤーのみに影響します。VMは管理レイヤーと独立して稼働し続け、電源状態とネットワーク通信は維持されます。

ただし、スナップショット作成、電源操作、設定変更など実行中の管理タスクは、エージェント復旧まで失敗または停止する可能性があるため、アクティブなタスク完了後に実施してください。

コマンド実行前の確認事項

  • 他管理者に事前通知する。 共有環境では再起動中にホストが一時的に「応答なし」と表示され、誤アラームや不要なエスカレーションが発生する恐れがあります。
  • 実行中のvMotion・ストレージ移行完了を待つ。 移行処理中のエージェント再起動はタスクを復旧不能な状態にする可能性があります。
  • NSX導入の有無を確認する。 NSX導入環境ではservices.sh restartを実行しないでください。全サービスが再起動され一時的にネットワーク通信が遮断されます。代わりにhostdvpxafdmを個別再起動してください。NSX導入確認コマンドは下記の通りです。
esxcli software vib list --rebooting-image | grep esx-* 

 

出力結果にvsip-esxまたはesx-vxlanが含まれる場合、当該ホストにNSXが導入されています。

  • 分散スイッチのLACP設定有無を確認。 LACP設定が存在する場合も同様の理由でservices.sh restartを避け、各サービスを個別再起動してください。
  • 実行中のバックアップジョブがないか確認。 バックアップ実行中はスナップショットが保持されています。処理中にエージェントを再起動するとバックアップソフトがプロセス制御を失い、スナップショットが放置され、VMが差分ディスク上で稼働し続けクリーンアップ手段がなくなります。

手法1:SSH経由で管理エージェントを再起動

最も汎用的な手法で、再起動対象サービスを細かく指定可能、実行結果を即時確認できます。

手順1:ESXiホストのSSHを有効化

SSHが起動していない場合はvSphereホストクライアントの【ホスト】→【管理】→【サービス】→【TSM-SSH】→【起動】から有効化するか、DCUIの【トラブルシューティングオプション】から設定します。

vSphereホストクライアント画面

手順2:SSHで接続

WindowsはPuTTY、macOS/Linuxは標準ターミナルを使用し、rootアカウントでログインします。

手順3:hostdを再起動

/etc/init.d/hostd restart 

 

手順4:vpxaを再起動

/etc/init.d/vpxa restart 
補足:hostdを先に再起動してからvpxaを再起動してください。vpxaはhostdが正常稼働していることを前提にvCenterへの再登録処理を実行します。

手順5:両サービスの稼働状況を確認

/etc/init.d/hostd status
/etc/init.d/vpxa status 

 

両コマンドともhostd is runningvpxa is runningと出力されれば正常です。どちらか一方がstoppedと表示される場合は30秒待機後再度状態確認を実行してください。サービスの完全起動に時間を要する場合があります。

手順6:ホストが依然応答しない場合は管理用VMkernelインターフェースを再起動

両サービスが稼働しているのにvCenter上のホストが切断状態の場合、管理用VMkernelインターフェースを再起動します。管理通信が一時的に遮断されますがVMのトラフィックに影響はありません。

esxcli network ip interface set -e false -i vmk0 ; esxcli network ip interface set -e true -i vmk0 
補足:管理用インターフェースがvmk0以外の場合はvmk0を実際のインターフェース名に置き換えてください。一覧確認はesxcli network ip interface listで実行可能です。

手法2:DCUI経由で管理エージェントを再起動

DCUI(Direct Console User Interface)はサーバーに接続した物理モニターに表示される黄灰色のテキストメニューです。SSHが無効、またはネットワークが不安定でリモート接続できない場合に使用します。

SSHの代わりにDCUIを選択する場面

DCUIはホストコンソール上で直接動作しネットワーク接続に依存しません。SSHセッションを開けない、ホストクライアントにアクセスできない場合の最も確実な代替手段です。

DCUIからの再起動手順

  1. ホストコンソールにアクセスしF2キーを押し設定メニューに入る。
  2. rootの資格情報でログイン。
  3. 矢印キーでトラブルシューティングオプションへ移動しEnterキーを押す。
  4. 管理エージェントの再起動を選択しEnterキーを押す。
  5. F11キーで確定。ホストがservices.shを実行し全管理サービスを順次再起動する。
  6. ステータスに完了と表示されたらEnter、続いてEscキーを押し終了。

ESXi DCUI画面

補足:DCUIの「管理エージェントの再起動」機能は内部でservices.sh restartを実行し全サービスを一括再起動します。NSXまたはLACPを導入しているホストの場合は手法1を使用し、hostdvpxaを個別再起動してください。

手法3:ホストクライアントからhostd・vpxaを再起動

vCenter上のホストが切断状態でも直接vSphereホストクライアントにアクセス可能な場合は、コマンドラインを使用せずブラウザ画面からエージェントを再起動できます。

この手法を活用する場面

ホストクライアントが正常に読み込める場合のみ有効です。画面が開かない場合はhostd自体に不具合が発生しているため、手法1または手法2を使用してください。

ホスト>管理>サービス からの再起動手順

  1. ブラウザを開き、ホストのIPアドレスまたはFQDNでESXiホストに直接ログイン。
  2. 左ナビゲーションパネルの管理をクリック。
  3. サービスタブを選択。
  4. 一覧からhostdを探し右クリック→再起動を選択。
  5. hostd復旧後、vpxaを右クリック→再起動を選択。

ESXiホストクライアントサービス画面

管理エージェント再起動後も応答しない場合の対処

エージェント再起動で通信が回復しない場合、単なるサービス停止以上の根本的な障害が発生している可能性があります。この段階では復旧作業より原因調査を優先します。

確認すべきログファイルの場所

ESXiの管理系ログは/var/log/配下に格納されています。再起動後もエージェントが起動失敗・即時クラッシュする場合は、下記2つのログを最初に確認してください。

  • /var/log/hostd.log — ローカルホスト管理、ハードウェア連携、VMタスク実行に関するログ。
  • /var/log/vpxa.log — ホストとvCenterサーバーの通信に関するログ。

ログから根本原因を調査する方法

SSHのtailコマンドを使用すると、ログ全体を開かず最新記録を確認できます。

hostd.logの最新50行を表示:

tail -n 50 /var/log/hostd.log 

 

vpxa.log内のエラー文字列を検索:

grep -i "error" /var/log/vpxa.log 

 

「Connection refused」「Failed to discover」「Resource temporarily unavailable」といった文字列が出力されていないか確認します。持続的なI/Oエラーが記録されている場合は、ストレージアレイの応答停止にエージェントが待機し続けている状態です。データストアが全パス障害(APD)または恒久的デバイス損失(PDL)状態になっていないか確認してください。

再起動完了後vCenter上でホストを再接続

vCenterはエージェント復旧を自動検知しない場合があります。再起動後もホストが「切断」「応答なし」と表示される場合は手動で再接続を実行します。

  1. vCenterインベントリ内の対象ホストを右クリック。
  2. 接続接続を選択。
  3. SSL証明書フィンガープリント確認プロンプトが表示されたら確定。

ホスト全体の再起動を実施するタイミング

再起動コマンドが無限に停止する、またはDevice or resource busyエラーが返る場合は、プロセスが中断不能な状態で固まっています。多くはストレージまたはカーネル層の障害で、管理レイヤー単独では復旧できません。

services.sh restartが10分以上完了しない、またはログにホストの安定性低下を示すカーネルエラーが記録されている場合は、ホスト全体の再起動を計画します。管理エージェントが停止している状態では、サーバーのハードウェア管理インターフェース(iDRACiLOIPMI)から再起動コマンドを発行する必要があります。

次回の管理系障害に備えESXi仮想マシンをバックアップ

管理エージェントの再起動は一時的な不具合を解消するだけで、ホスト管理不能期間、放置スナップショット、バックアップジョブ失敗、復旧ポイント不存在によるVM復旧不能といったリスクに対する保護にはなりません。

手動対応は一時しのぎに過ぎず、安定したバックアップ体制が恒久的な安全対策となります。

i2Backupはエンタープライズ向けバックアップソリューションです。ホストまたはゲストOSにエージェントをインストールせず、VMware標準APIを活用し大規模VMを本番負荷なしでバックアップします。

i2Backupの主な機能

  • エージェントレスVMバックアップ i2Backupは仮想化プラットフォーム標準APIを活用し、ゲストOSに触れず稼働中業務に影響を与えずVMをバックアップ。エージェントのインストール作業が不要で本番環境への負荷が発生しません。
  • VM瞬時リカバリ ホスト障害発生時、i2BackupはVMバックアップを対象プラットフォームにリモートマウント可能。完全復元処理を省略し数分でVMをオンライン状態に戻せます。
  • 任意時点リカバリ 連続バックアップログと複数復元ポイントにより任意の時点までデータを巻き戻し可能。ホスト全損だけでなくデータ破損・誤削除の復旧に対応します。
  • 柔軟なスケジュール設定と自動クリーンアップ 時間・日・週単位でバックアップスケジュールを作成可能。保存ルールに基づき古いバックアップが自動削除され、手動操作なしでストレージ容量を制御できます。
  • 一元監視とアラート通知 Web管理画面でバックアップ状況をリアルタイム確認、メール・SMSアラートによりジョブ失敗を即時通知します。
  • 多プラットフォーム対応 VMware以外にHyper-V、OpenStack、ファーウェイHCS/FusionCompute、ZStackなどに対応。複数仮想化基盤を運用する混合環境で活用できます。

管理エージェントの障害は事前予測が困難です。最新の正常なVMバックアップを保持しておけば、トラブル発生時に数分で復旧でき、長時間の調査作業を回避できます。

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よくある質問

Q1:hostd再起動は稼働中VMに影響しますか?

いいえ。hostd、vpxaといった管理エージェントはVM実行レイヤーと独立して動作します。再起動中もVMは処理を継続しネットワーク接続を維持します。一時的に利用不可となるのは管理画面のみです。

Q2:エージェントが正常再起動したか確認する方法は?

SSHから下記状態確認コマンドを実行します。

/etc/init.d/hostd status
/etc/init.d/vpxa status 

 

両方とも「running」と表示され、vCenterのホストステータスが「接続」に戻ればvpxaがvCenterとの通信を正常再確立したことを確認できます。

Q3:hostdとvpxaの違いは?

hostd ホストのローカルリソース、VM操作を直接管理するサービスです。vpxa vCenter通信用エージェント。vCenterサーバーから指示を受け取りhostdに転送し実行させます。例えるならhostdがエンジン、vpxaが中継機という役割です。

Q4:SSHアクセスなしで管理エージェントを再起動できますか?

はい。物理コンソールまたはiDRAC、iLOなどハードウェアリモート管理ツール経由でDCUIを使用できます。vSphereホストクライアントにアクセス可能な場合は【ホスト】>【管理】>【サービス】から直接サービス再起動を実行できます。


Q5:ネットワーク設定変更後に管理エージェントを再起動する必要がありますか?

基本的に不要です。ただしvSphere分散スイッチの設定変更後、vCenter上のホストが「同期外れ」と表示され続ける場合は、エージェント再起動で設定が強制再読み込みされ、vCenterデータベースとホストの状態が再同期されます。

まとめ

管理エージェントの障害は深刻に見えますが、大半のケースでVMは正常稼働し続け、障害範囲は管理レイヤーのみに限定されます。対象サービスを個別再起動するだけで管理機能と可視性が回復するケースが多数です。

本ガイドで紹介した3つの手法は全環境に対応可能です。細かい制御が必要な場合はSSH、ネットワークが不安定な場合はDCUI、vCenter通信のみ不具合がある場合はホストクライアントを使用します。いずれの手法でも復旧しない場合は、ログファイルからストレージ障害、資格情報不整合、ホスト全体再起動が必要なカーネル障害など根本原因を特定できます。

サービス再起動ではデータ復旧は不可能です。エージェント障害によるバックアップ失敗や放置スナップショット発生時のため、事前にInfo2softのi2BackupによるエージェントレスVMバックアップ環境を構築し、常に復旧手段を確保することが最善の対策です。

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