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By: Emma

ブロックレベルバックアップとは

ブロックレベルバックアップは、前回のバックアップ以降に変更が発生したストレージブロックのみを複製するデータ保護方式です。

ファイルシステム全体をスキャンして変更ファイルを探す代わりに、バックアップソフトウェアがストレージボリュームに直接アクセスし、実際に更新されたブロックだけを判別して転送します。

what is block level backup

補足:ストレージシステムにおける「ブロック」とは、ディスクが読み書き可能な最小データ単位のことで、一般的に4KB~64KBとなります。ファイルはこの固定サイズのブロックの連なりとして保存・処理されます。

ブロックレベルバックアップの仕組み

ブロックレベルバックアップは、まず完全バックアップを基準として作成した後、VMware環境ではCBT(変更ブロック追跡)、Hyper-V環境ではRCTを活用して変更データブロックを記録します。各バックアップ実行時にスナップショットで一貫したデータ状態を取得し、ファイル全体ではなく更新されたブロックのみを転送します。

ストレージ容量と帯域幅を削減するため、圧縮や重複排除機能が併用されることが多いです。復元時には完全バックアップと各差分ブロックデータを統合し、元のデータを復元します。

ブロックレベルバックアップのメリット・デメリット

ブロックレベルバックアップは企業環境に多くの利点をもたらす一方、特有の技術的なトレードオフも存在します。両方の特徴を把握することで、自身の基盤に適した方式か判断できます。

ブロックレベルバックアップのメリット

ブロックレベルバックアップは、特に大規模かつ複雑な環境において、バックアップ速度、ストレージ使用量、拡張性の面で顕著な改善を実現します。

  • バックアップ処理が高速:更新されたブロックのみを判別・複製するため、ファイルシステム全体のスキャンという時間のかかる工程を省略できます。大容量ボリュームの場合、バックアップ時間が大幅に短縮されます。
  • ストレージ消費量を削減:変更のあったデータブロックのみ保存するため、更新のない同一データを重複保管する必要がなく、長期保管に必要なディスク容量を抑えられます。
  • ネットワーク帯域幅の負荷を低減:ファイル全体を複製する方式と比較して転送データ量が大幅に少ないため、ローカルネットワークやクラウド接続への負担が軽減されます。
  • 大容量ファイルとの相性が良い:例えば50GBのデータベースで5MBのみ変更が発生した場合、ブロックレベルバックアップは5MBだけ転送します。ファイル単位の方式では50GB全体を複製するため、時間とリソースが無駄に消費されます。
  • 企業環境の拡張性に優れる:数百万のファイルが存在する大規模環境では、ファイルシステムを走査する「ファイルシステムクロール」による処理遅延が発生しやすいです。ブロックレベル方式はファイルディレクトリ階層ではなくディスク層で処理するため、この問題を回避できます。
  • 常時差分バックアップに対応: 変更ブロックのみ転送する仕組みにより、常時差分バックアップ運用が可能になります。初回の完全バックアップ後は更新ブロックのみ取得するため、バックアップ時間を短縮し、時間経過に伴うストレージ容量の増加を抑えます。

ブロックレベルバックアップのデメリット

一方で、ブロックレベルバックアップには制限事項も存在します。ソリューションを導入する前に、これらのトレードオフを検討する必要があります。

  • バックアップ基盤の構成が複雑:WindowsのVSSなどOSレベルサービスと連携する専用ドライバまたは連携機構が必要なため、単純なファイルコピーツールと比べ初期設定に手間がかかります。
  • 復元作業が複雑になるケースがある:ファイルレベルバックアップは単一ファイルを即時閲覧・抽出可能ですが、ブロックレベルバックアップでは個別ファイルにアクセスするため、仮想ボリュームの再構築またはマウントが必要な場合があります。
  • 初回完全バックアップは必須:基準データを作成するため、最初のバックアップではディスク上の全ブロックを複製する必要があります。この初期シードバックアップには長時間と膨大な帯域幅が必要です。
  • 小さなファイルが多数存在する環境には不向きな場合がある:更新頻度の低い微小ファイルが数百万個存在する環境では、ブロック追跡に伴うオーバーヘッドにより、標準的なファイルレベルバックアップと比較してメリットが少なくなります。
補足:最新のブロックレベルバックアップソフトの多くは詳細復元機能を搭載し、ボリューム全体をマウントせずにブロックイメージから直接単一ファイルを抽出できるため、復元の複雑さは解消されつつあります。

ブロックレベルバックアップ vs ファイルレベルバックアップ

適切なデータ保護方式を選定するため、実運用における2種類の方式の違いを理解しましょう。

ファイルレベルバックアップとは

ファイルレベルバックアップは従来型のデータ保護手法で、個々のファイルを最小バックアップ単位とします。ファイルに変更が発生すると、変更箇所の大小に関わらずファイル全体をバックアップ先へ複製します。ファイルシステムから変更箇所を判別する仕組みのため設定は簡単ですが、大容量データセットでは処理速度が低下しやすい特徴があります。

ブロックレベルとファイルレベルバックアップの主な違い

下表に2つの方式の技術面・運用面の主要な差異をまとめます。

項目 ブロックレベルバックアップ ファイルレベルバックアップ
バックアップ単位 データブロック ファイル全体
処理速度 高速 低速
ストレージ使用量 少ない 多い
帯域幅消費量 少ない 多い
適した環境 仮想マシン、データベース、大容量ファイル ドキュメント、ユーザーファイル
復元粒度 制限が生じる場合あり 単一ファイルを簡単に復元可能

根本的な違いはストレージへのアクセス層にあります。ブロックレベルバックアップはファイルシステムより下位層で動作し、変更された生のデータブロックのみ取得します。ファイルレベルバックアップはOSのディレクトリ構造内で動作し、変更検知時にファイル全体を複製します。

どちらのバックアップ方式が優れているか

いずれの方式が万能というわけではなく、業務ワークロードと復旧要件によって最適な選択が異なります。

仮想マシン、データベース、大容量ストレージを扱う大半の企業環境では、ブロックレベルバックアップが実用的です。大規模環境においてバックアップ時間を短く保ち、ストレージ消費量を抑えられる点が重要なメリットとなります。

チーム用文書フォルダや個人ファイルアーカイブといった小規模環境では、ファイルレベルバックアップで十分かつ管理が簡単です。ボリュームをマウントすることなく直接ファイルを閲覧・復元できる利点もあります。

基本的な目安として、取り扱うデータが大きく複雑であるほどブロックレベルバックアップのメリットが大きく、単純な小ファイル環境ではファイルレベルバックアップが少ないオーバーヘッドで運用できます。

ブロックレベルバックアップの代表的な活用シナリオ

ブロックレベルによるデータ保護は高性能な企業データセンターの標準手法となっています。ファイル全体ではなく変更箇所のみ取得することで、最新データセンターの短いバックアップ時間と厳しい復旧要件に対応可能です。

仮想マシンのバックアップ

仮想マシンはVMwareの.vmdk、Hyper-Vの.vhdxといった大容量仮想ディスクファイルで構成されます。ファイルレベルでバックアップすると、VM内部の微小な変更でも数ギガバイトのディスクファイル全体を複製する必要があり、非効率です。

この課題を解決するため、VMwareはCBT、Hyper-VはRCTといった変更追跡機構を提供し、どのセクターが更新されたか正確に判別できます。バックアップソフトはこれらAPIを活用し変更ブロックのみ転送するため、数時間かかるバックアップが数分に短縮されます。

VMwareスナップショットをVM保護施策の一部として利用している場合、ブロックレベル取得と併用することでスナップショットチェーンの肥大化を抑えつつ、短時間でバックアップを完了できます。

データベースのバックアップ

SQL Server、Oracle、Exchangeなどのデータベースは固定サイズのブロック単位でデータを書き込み、常時稼働していることがほとんどです。ファイルレベルバックアップには2つの課題が生じます。データベースエンジンによりファイルがロックされやすい点、小さなトランザクションごとにファイル全体を複製するとリソースが無駄になる点です。

ブロックレベルバックアップはこの2つの課題を同時に解決します。OSレベルのスナップショットサービスを活用しディスク上のデータ状態を直接取得するため、ファイルロックの影響を受けず、変更ブロックのみ転送します。

高トランザクションな業務負荷下でも一貫性のある高速なバックアップを実現します。特にSQL Server環境では、ログバックアップと組み合わせた時点指定復旧を含む総合的なSQLバックアップ戦略と相性が良いです。

企業向けNAS・ファイルサーバー

大規模NAS環境では深いディレクトリ階層に数百万の小ファイルが保管されているケースが多く、ファイルシステム層で変更ファイルをスキャンすると「メタデータクロール」と呼ばれる処理遅延が発生し、バックアップ時間内に処理が完了しない問題が起こります。

ブロックレベルバックアップはファイルシステムを迂回し、ディレクトリを走査せず、前回バックアップ以降に書き込みが発生したストレージ領域のみ判別して複製するため、この問題を完全に回避できます。

クラウドバックアップ・災害復旧

大容量データをクラウドへ送信する際、アップロード帯域幅がボトルネックとなります。中規模サーバーでもファイルレベルの完全バックアップを実行すると、数時間にわたりネットワーク回線が飽和する恐れがあります。

差分ブロックレベルバックアップは実際に変更された一部のデータのみ転送するため、クラウドストレージのコストを抑え、オンプレミスとクラウドの災害復旧環境をネットワークに過大な負荷をかけずに同期維持できます。

i2Backupが信頼できるブロックレベルバックアップソリューションである理由

ブロックレベルバックアップは企業環境に必要な高速性と効率性を提供しますが、データ保護の品質は実装するソフトウェアに依存します。

物理、仮想、クラウド環境全体で自動化・安全かつ拡張可能なブロックレベルバックアップを必要とする組織には、専用に開発されたi2Backupが適しています。

i2Backupの主な機能

  • ブロック単位変更追跡機能: i2Backupはディスクブロック変更追跡技術により、物理サーバー上の更新ブロックを常時監視します。各バックアップ周期で変更ブロックのみ取得するため、ファイルシステム全体をスキャンせずに分単位のRPOを実現。大容量ボリュームでも毎日のバックアップが高速かつストレージ効率良く実行できます。
  • エージェントレス仮想マシンバックアップ: 仮想環境向けにVMware、Hyper-V、OpenStackなど各プラットフォームのネイティブAPIと直接連携します。各VM内にエージェントをインストールする必要がなく、バックアップ実行時に本番業務へのパフォーマンス影響が発生しません。
  • 柔軟な復元オプションブロック層でデータを取得するため、ボリューム全体の復元だけでなく、VM即時復元、単一ファイル復元、詳細アイテム単位復元を同一のバックアップイメージから実行可能です。IT担当者は状況に合わせて復元手法を選択できます。
  • 幅広いプラットフォーム・データベース対応: Windows/Linux物理サーバー、主要仮想化基盤、Oracle、SQL Server、MySQL、IBM DB2などのデータベースに対応します。単一ソリューションで一般的な企業のほとんどの業務環境を保護可能です。
  • 企業グレードのセキュリティと自動化機能バックアップデータの転送時にAES・SM4暗号化で保護します。ストレージはWORM(追記型読出し専用)に設定可能で、バックアップデータの不正な改ざん・削除を防止します。バックアップスケジュール、保管ポリシー、不要データのクリーンアップが完全自動化され、IT担当者の手作業負担を軽減します。
  • ブロックレベルバックアップの信頼性は稼働するプラットフォームに左右されます。ネイティブなブロック取得、エージェントレスVM対応、柔軟な復元機能を備えたi2Backupは、最新の企業基盤のバックアップ・復旧要件に対応するよう設計されています。ブロックレベルバックアップソフトの導入を検討しているチームにとって、i2Backupは実用的な選択肢となります。

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よくある質問

Q1:ブロックレベルバックアップは差分・増分バックアップに対応しますか?

はい。ブロックレベル技術こそ、高速な増分・差分バックアップを実現する基盤となります。変更ブロック追跡(CBT)により、前回の完全または増分バックアップ以降に更新されたブロックを正確に特定できます。

増分・差分を問わず、更新ブロックのみ保存するため各バックアップデータは小さく、処理時間も短縮されます。

Q2:ブロックレベルバックアップはすべての種類のデータに適しますか?

大半の企業業務ワークロードには適しています。特にバックアップ間隔で変更が発生するデータの割合が少ない仮想マシン、データベース、大容量ファイルとの相性が抜群です。更新頻度の低い微小ファイルが数百万個存在する大規模文書アーカイブなどの環境では、ブロック追跡のオーバーヘッドによりファイルレベルバックアップとの差が小さくなります。しかし、最新のサーバー基盤においては、拡張性と実用性の面からブロックレベルバックアップが一般的に優先されます。

Q3:ファイルレベルバックアップとブロックレベルバックアップの違いは?

核心的な差異はデータ処理単位です。ファイルレベルバックアップは変更を検知するとファイル全体を複製するのに対し、ブロックレベルバックアップは更新されたストレージブロックのみ複製します。

大容量文書の1文を編集した場合、ファイルレベルはファイル全体を再複製するのに対し、ブロックレベルは変更箇所の小さなブロックだけ転送します。このため大容量データセットや常時稼働するデータベースではブロックレベルの方が大幅に効率的です。

まとめ

ブロックレベルバックアップは企業向けデータ保護の基盤技術として定着しています。変更されたストレージブロックのみ取得する仕組みにより、バックアップ時間の短縮、ストレージ使用量の削減、仮想マシン・データベース・大規模ストレージ環境における柔軟な復元手段を実現します。

一方で万能な手法ではなく、単純なファイルアーカイブや小規模オフィス環境ではファイルレベルバックアップの方が実用的なケースもあります。バックアップ方式を選定する前に、自身の業務データの規模、更新頻度、要求される復旧速度を把握することが最も重要です。

仮想マシン、常時稼働データベース、大容量ストレージを保有する基盤の場合は、ネイティブなブロックレベル機能を搭載したソリューションの導入を検討すると良いでしょう。Info2softのi2Backupは物理サーバー、仮想環境、データベース全体に対応したブロックレベルバックアップを提供し、複数のツールを管理する複雑さを解消します。

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